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人の採用は長らく企業の重要なテーマであり今後もそれは変わらないと思う。そして入社した社員を辞めさせないことに着目している定着の考え方が多いように感じるがそれは間違いである。本質的な定着の在り方はその次の「戦力化」フェーズの布石になっていなくてはいけない。単に「組織に居る」だけの人を増やしても仕方ないのである。

 

そこでポイントとなるのはいかに社員の行動や思考、その結果を観察し感情報酬を与え、フィードバックが本人に浸透するような状況を作り出しているか。人は概ね目をかけてもらうとうれしいもの。組織上位者は配下に公平さを欠かないことを心掛ける一方で、個に対しての特別感を演出することも忘れてはならない。例えば、納期が迫ってやむを得ず残業続きの社員に対しては一段落したところで個別に食事に招いてその仕事ぶりに耳を傾け、ねぎらいの言葉をかけるくらいはしたいもの。採用活動や育成活動などの定量的に測りにくいことを担ってくれている社員には、会議やミーティングではなくちょっとランチにでも誘って現状の頑張りを聞かせてもらい会社として協力できることがないかを尋ねてみることも必要。

 

つまりは何か会社全体にとっての特筆すべき貢献行動をしている者には、ちゃんと気づくことをしなくてはならないということだ。人は自分は特別だ、上は自分の行動を評価してくれていると感じることの積み重ねが次の行動動機になり、ひいては自己肯定感、会社組織への帰属意識に繋がり、やがて上司になったときにそういう観察眼がついた人材となっていく。仕事がいくらできても感情の機微に疎いものは求心力を得られない。

 

 

働き方改革に伴う時短や効率化に感けて自社人材のメンテナンスを行えているかどうか。お金や福利厚生の充実と言った短絡的なことだけではない。なぜなら人間は感情の動物だからである。そんなことまでやるのか?と聞かれることもあるがそんなことまでやらないと安心安全に人は働いてくれない。ハラスメント対策だコンプラ研修だという通り一辺倒、型にはまったものではなく会社組織のコミュニティを小さな町づくりになぞらえて考えてみてはどうだろうか。つまりは住み心地のようなものに焦点をあてるということ。       続

 

20241219


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