そもそも仕事と言うものは一体どのようなものなのでしょう。
「生きるために必要な糧を得るもの」確かにそうでしょう。労働対価なるものがなければ働くことは難しいでしょう。
「自分を成長させるためのもの」仕事には不定期的に負荷が伴います。その負荷とは今まで感じたこともないようなストレス反応だったり、想像もつかないハプニングだったり、日常の人間関係だったり・・
「キャリアアップするためのもの」最近は少なくなってきたと思うのですが、スタートの段階で○年勤めて次へ行く!または独立する!といった発想。間違いとは言いません。
問題提起したものの、これだ!といった答えがないのが答えだったりするのです。不安いっぱいの就活。どこかでそれも終息するでしょう。そして新卒であれば2014年春を迎えて今とは違う環境に身を置くことは確かです。それが就業という形なのであれば私からはこうお伝えしたいと思います。
仕事とは自分に対するお題目のようなもの。ルーティンワークといった同じような仕事の繰り返しでも、そこにいかに改善していけるかが問われ、めまぐるしく日々変わるテーマや難題も、切り口を変えたり、正面からぶつかってみたり、そうすることで最初は見えなかった何かが見えてくる・・。お題目に真摯に取り組むことで、上記した「糧」「成長」「キャリアップ」は、“気づけば”手に入っているのではないでしょうか。
世の中に必要のない仕事は無いと言われます。もしかしたら自分が想定していなかった仕事に就くこともあるかもしれません。いやその方が多いでしょう。ちなみに私は小さい頃、昆虫博士になりたかった。中学生くらいになるとお笑い芸人が頭をよぎった。大学時代はひたすらアルバイトをしていましたが一種モラトリアムな4年間。ビジョンがあまりない就活で辿りついたのは今までのどこに行っても誰も教えてくれることのなかった“営業”という職。来る日も来る日も新規契約を獲ってくることがこのときの「お題目」。売れない理由を探して辞めていく同期を尻目に、このお題目を如何にしてクリアしていくかを考えて行動しました。朝から晩まで仕事を生活のど真ん中に据えていく生活で、先輩(模範となる人、そうでない人)たちに影響を受けながら、契約してくれるお客様からひとつひとつ学びながら、自分もいつしか「上司」と呼ばれる存在に。面倒くさい部下育成も、次第に「やりがい」に変わり、いつしか自分の仕事のお題目が「自分の営業」から「組織づくり」になっていたのでした。その後、支店長も4か所経験しましたが、住んだこともない土地で、育った文化も違う部下と共通の目標に向かっていくのは、単に「上司」であることよりも数段難易度の高いお題目だった事には間違いありません。しかし、それを遂行する事が仕事なのでした。
12年間在籍した会社を辞めて転職した先では、営業対象が法人になっただけで、22歳の頃にスタートした「営業」がお題目に。これを突破しない事には次のステップもないのでひたすら初心に帰ってこのお題目を追いかけた34歳の頃でした。年齢の事もあり入社次年度からマネージャーを名乗っていましたが、ここではまた違うお題目。そして独立して来年1月より5年目になりますが、勤めていたときとは全然違うお題目の連続。こうしてお題目に向き合い続けて、その成否に関わらず過ぎて、また新しいお題目が現れての繰り返しが人生そのものなのだと思います。そして、必要な「糧」や、見合った「成長」や、理想の「キャリア」は年齢とともに比例するわけではなくて、次々に出現する「お題目」にいかに向き合い、成果としてきたかが事あるごとに通知表のように突きつけられて伸び具合や充足度もかわるのだと思います。
だれしも「あのときこうしておけばよかった・・」とは過ぎて思うものですが、常に自分の前には未来しか拓けていないわけですから、次のお題目にどう取り組むかに注力することが大切ではないかなと思います。
もうひとつ。ひとりの人生にはたくさん人がどういうわけか関わってきます。しかしながらこれはすべて自分に意味があると考えた方がよいでしょう。自分の成長に寄与してくれる人は、決して好感持てる人だけとは限りません。むしろ嫌だなあと思える人の関わりの方があとで自分の力に変わる。来ては過ぎていく出会いもまたお題目と考えれば、結果的には自分の力に変わるのではないでしょうか。
就活は大変な戦いのようなイメージがあります。しかし、このお題目をどのように乗り越えていくかに主眼をおけば違うものも見えてくるのではないかなと思います。断片に捉われず、自分の前に道を拓いていくイメージで行きましょう。行く手を阻む深く生い茂る草木も、歩きにくい悪路も、時に出てくる猛獣も、すべてお題目。やっと道が拓けてもその先は果てしなく、またどこかで深い森を幾度となく体験しなくてはならない運命なのです。占い師のような締めになりましたが、12月1日からのヒントになればナーと思っています。