”当たり前”は実はとても特別

会社組織の中に所属していると自分に対する処遇がよくわからなくなります。それはまるで自分が育った家ですべての家事をお母さんがやってくれることに似ています。

 

例えばこの時期、新入社員研修というものが当たり前のように行われますが、受ける方にしてみれば「最初だからやってもらって当たり前」になっていないでしょうか?採用するのに莫大なコストがかかり、更に教育にも投資してもらっているというちょっとした自覚をもてば、少し姿勢も変わるのかもしれません。

 

また、あっと言う間に座学が終わってOJTに移るところ、次の座学が始まるところ、外部が入るところ、さまざまですが、どのやりかたも「人財としてあなたが活きる」ように社内で培われた手法なのです。決して思い付きではやっていません。

 

何ごとも当たり前ではなく、”やってもらっている感”を自分で持つことができれば、物事への考え方や取り組み、他人への接し方も変わることでしょう。私の新入社員生活では、そういったことが辛辣なくらい指導されました。出勤して自分の机が当たり前にあるけれども果たしてこれにかかる費用はいかほどか?事務所の賃料や光熱費、

 

「いやいややるのはいいけれどそのいやいややる残業によってどんだけの電気代が余分にかかるんだろうね?」

 

とか、当時は何でこんなこと言われるんだろうと思っていましたが、至極正論。それだけに仕事をしっかりしないと”じんけんひ”もでないなあと。厳しいですね(笑)

 

過敏になると汲々になってしまいますが、一度冷静に身の回りの「当たり前」に目を向けて「自分は特別にこんなことやってもらっているなあ」のように捉えてみると、姿勢が正されるかもしれません。組織は強化された個の集団によってより強いシナジーが生まれるのです。自らも強い個となるべく組織の働きかけを最大限に吸収し、ありがたみをもって成長したいものです。