役割を果たす=個として機能する

私は個人事業として今の仕事をしています。つまりは組織には属していません。17年ほどサラリーマンとして暮らしてきましたのでそのモノサシに照らし合わせると、これはまったく違うものです。

 

最初の会社ではとにかく営業成績を如何にして向上させるかが問われたので、毎日どのように新規でお客様を獲得するかを考えていました。おかげで戦略的に動くことやロジカルな思考、多少は身についたかと思います。マネジメントする立場になるとそれをどうやって組織だって動かすことに活かすかに変化していきました。いつも頭の中にあったのが「率先垂範」。自分がやらないことは他の人はしてくれない。期待だけすると空回りするということ。ヒラの時は早く昇格したいと思いましたが、イザ上がると割に合わないことも多いなあと痛感する事もしばしば。しかしそうなればなるほど組織の機能具合は自分が個として機能しているかどうかに比例するのだとも感じました。

 

二番目の会社は最初の会社に比べて緩かったのですが、緩いがゆえに不確定・不安定な要素も多く、うまく回っているときはいいのですが、少し調子を下げると加速をつけてマイナスになっていくような傾向がありました。「役割を果たす」に関してお客様から金言をいただいたことがあります。

 

「1年目の社員は1年目の仕事を、3年目の社員は3年目の仕事を、10年目の社員には10年やっているなりの仕事を。それをできるようにしていくのが健全。」

 

とかく、ワンストップでルーティンから職人技までをしなくてはいけないのが今の世の中。なかなか理想通りにはいかずとも、組織が円滑に機能するためには「自分の役割をきっちり果たす」事ではないかと思うのです。その役割とは自分ひとりで理解しているものだけでなく、周りからも納得いくものでなくてはならない。個としての機能が集まって組織は機能していくのだと思います。

 

現在私は事業としては一人ですが、クライアントの組織の一部として参画させていただくことが多い。会社勤めしていたときよりも緊張感はありますので、「役割を果たす」ために個としていかに機能するかを毎日省りみながらマイナスをひきずらずに次に向かうことを旨としています。しかし、会社勤めしていたとき以上に組織の中で機能しようとする自覚があるのも不思議なものです。